秋の養生
秋は、立秋(8/8頃)から立冬(11/7頃)までの三ヶ月を秋の季節といいます。
実りと収穫の季節です。
自然界は、陽氣が最も盛んな真夏から、陰氣が最も盛んな真冬の時期に変わっていき
次第に陽が消えてゆき、陰が多くなってきます。
紅葉は綺麗ですが植物は枯れ、人間の身体も乾燥する時期。
精神的にも落ち込みがちで、次第に寒氣が増すとカゼをひきやすくなったり。。。
夏の熱さで消耗した体力も次第に回復するので、秋は休息と調整時期とも言えます。
まずは特徴を知って対策を立てましょう。
◆秋の特徴 「秋」の主氣は「燥」。 五行の「金」に属し、五臓の「肺」に通じる。
秋は「肺」の働きが活発になります。
肺の働きは全身の氣の動きを調整し、呼吸や水分の代謝をコントロールします。
肺は鼻で外界と通じ、季節に敏感で*六淫邪氣が侵入しやすく
また、乾燥を嫌い、潤いを好む特徴があってとてもデリケートな臓器です。
呼吸器系の持病がある方は、冬に向けて特に養生が必要です。
秋の邪氣は「燥(そう)邪(じゃ)」。
*六淫邪氣(風、暑、熱、火、湿、燥、寒の6つ。季節の移り変わりによる特徴的な邪氣。)
◆燥邪の特徴
・燥邪は陽邪。乾燥性をもち、体表部(口や鼻)から侵入します。津液(体内の水分)が損傷しやすく口や鼻の乾燥、鼻血、喉の渇き、皮膚や唇、髪の乾燥、便秘などの症状がみられる。
・肺を傷つけやすい。空咳、痰少ない、喘息などの症状がみられる。
◆秋の薬膳の方針
秋に旬を迎える食材には、大根や里芋、百合根、蓮根、白菜、山芋などの白色のものが多いのが特徴です。これらは大氣の乾燥から身をまもる作用を持っている有難い恵み。
①津液を補う。(乾燥を緩和)
・「酸味」を摂る。甘酢っぱい「酸甘化陰」は体内の必要な水分をつくり、呼吸器や肌に潤いを与える。
酢やレモン、梨やりんご、ぶどう、ざくろ、イチジク、柿、パイナップルなどの果物も水分を多く含んでいる。
・玄米、黒米、蓮根、白菜、胡瓜、トマト、豆腐、牡蠣、落花生、木耳、胡麻、蜂蜜、氷砂糖、羅漢果、枸杞子
黒豆、豚肉、鴨肉、卵、すっぽん、あわび、あさり、イカ、エビ、ホタテ、南瓜の種など
②胃腸をケア。「甘味」を摂る。(乾燥を緩和させ、母子関係の脾をケアする)
・穀類、豆類、イモ類などの甘味。
・玄米、粟、はと麦、麦、南瓜、じゃがいも、里芋、栗、人参、山芋、薩摩芋、蓮根、蓮の実、百合根、大根、豆腐、鶏肉、棗、など。
③辛味を控える。辛味は発散作用があり、体内の水分が失われ乾燥がすすむ。
④肺を潤す。肺の乾燥を緩和。
・木の実や種。松の実、クルミ、南瓜種、栗、落花生、銀杏、白胡麻、もち米など
・水分の多い果物と野菜。バナナ、トマト、胡瓜、大根、白菜、ビワ、キウイフルーツ、かりん、パイナップルなど。
その他:豆腐、湯葉、豆乳、牛乳、卵、白木耳、竜眼、杏仁、豚肉など
⑤肝を養う。補血。 (相克の肝を養う)
・ほうれん草、レバー、イカ、金針菜、枸杞子、桃、卵、牛肉、まぐろ、アナゴ、うなぎ、牡蠣、トマト
★肺を潤して咳を止める
蜂蜜、松の実、梨、豆乳、銀杏、白木耳、百合根、蓮根、杏仁、など
白木耳:甘淡/平/肺、胃、腎
不老長寿の薬といわれる銀耳(ギンジ)は昔から優れた滋養強壮作用があるそうです。肌を潤す食材として有名。免疫力を高め、ミネラルが豊富。抗がんや老化防止に効果があり。肺の機能を高める。肺を潤し、皮膚の乾燥、喉の渇き、空咳に良い。